理事長挨拶

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理事長挨拶

学校法人 雙葉学園
理事長 萱場 基

2022年12月14日更新 恵み多いクリスマスと新年をお迎えください  12月、雙葉学園は2学期の終わりを迎えています。  雙葉学園の園児・児童・生徒たちは、12月7日に幼稚園、8日に小学校と中学高校で、「学園感謝の日」の行事に参加しました。12月8日はカトリック教会では「無原罪の聖母マリアさま」の大きなお祝い日です。子どもたちは、わたしたちを慈しんでくださる神さま、イエスさまや聖母マリアさま、そして、わたしたちをお世話してくださっている、たくさんの人々への感謝の気持を新たにしました。  まもなくクリスマスです。  人類を含むすべてのものを滅びから解放し、神さまの新しい命へと導いてくださる救い主であるイエス・キリストがお生まれになったこと(「降誕〈こうたん〉」といいます)を祝う日です。  「新約聖書」の中にある「マタイによる福音書」は、イエス・キリストの降誕のできごとを次のような、イエスに至るイスラエルの人々の系図から書き起こしています。  「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはその兄弟たちを、ユダはタマルによってベレツとゼラを、・・・・、サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、・・・、エッサイはダビデ王をもうけた。ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、・・・、ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。・・・」(マタイによる福音書1章1節~17節)。  人名を示すカタカナが並ぶ退屈な文章です。しかし、よく読むと、この系図には驚くべき特徴が現れてきます。  5人の女性の名前が見つかります。上の引用個所には、その部分を示しました。その5人の女性の名前はタマル、ラハブ、ルツ、ベトシェバ(ウリヤの妻)、そしてマリア(イエス・キリストの母)です。  人類の歴史は男性中心の歴史でした。系図には男性の名前だけが連なっているのが当たり前でした。それなのに、イエス・キリストに至る系図には女性も登場するのです。性の違いを超えたすべての人の中にイエス・キリストがお生まれになったことが明らかにされているのです。  しかも、登場する人物の中にはイスラエルの王の名前もありますが、全員が品行方正な人物ではありません。自分本意な傲慢な人物、神を信じない人物、人々を裏切り不正を働いた人物、神への裏切りのゆえにイスラエルを国家滅亡の瀬戸際まで追いやった人物までいます。これが人間の世界・歴史だと聖書は喝破しています。  きれいごとだけではすまない、清濁併せ持つ人間の歴史と現実――それは私たちが生きている現在まで続いています――の中にこそ、神さまからの救い主は力に満ちた支配者ではなく、小さな乳飲み子として生まれてきたという神さまの救いの真実、これこそがクリスマス=イエス・キリストの降誕なのです。 まもなくクリスマスとお正月です。 皆さまが神さまからの恵み深いクリスマスと新年をお迎えになられますように。 2022年、この1年の感謝を込めて、お祈りいたします。

学校法人 雙葉学園 理事長 萱場 基

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